このチュートリアルでは、次のようなファイルを用いて、UVの編集を行っていきます。
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サンプルファイル (clown.mqo |
完成図 (clown_finished.mqo |
左右対称のキャラクターで、顔以外はミラーリングで作成してあり、まだミラーのフリーズはしていない状態です。これから、UVを展開して、顔とそれ以外の合計二枚のテクスチャに収まるようにしていきます。
※チュートリアルで使用するサンプルデータは、Metasequoiaの「サンプルモデル」内に収録されています。
UVの編集は[マッピング]モードで行います。また、オブジェクトパネルでは、UVを編集したいオブジェクトが、材質パネルではオブジェクトに適用されている材質が選択されている状態にしておきましょう。
まず、頭部のUVを展開していきます。
UVを展開するときは、オブジェクトパネルと材質パネルで、作業中のオブジェクト(ここでは「head」)と、それに割り当てられている材質(ここでは「face」)が選択されている状態にしておきましょう。
作業がしやすいように、頭部だけを表示します。オブジェクトパネルで、頭部オブジェクトには目玉のマークがついている状態、それ以外のパーツの目玉のマークをクリックして、マークが消えている状態にすることで、頭部だけを表示することが出来ます。
また、辺・点・面はすべて非選択の状態で作業を進めていきます。[編集]の[全非選択]をクリックすることで、すべて非選択の状態にすることが出来ます。
[展開図]をオンにして、展開図を確認しましょう。後頭部の面の一部が意図しない位置に展開されています(矢印部分)。
修正していきましょう。コマンドパネルから[分離]を選択します。
分離したい部分の始点となる部分をクリックし、分離したい辺をなぞるようにドラッグして、終点をクリックします。
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分離されました。
次に[移動]を選択します。サブパネルから[面]を選んで、移動させたい面をクリックで選択します。Shiftキーを押しながらクリックすると、複数の面を同時に選択状態にすることが出来ます。
選択した面をドラッグして移動させます。Shiftキーを押したままドラッグすると真横に移動させることが出来ます。
移動させた面を[縫い合わせ]で繋いでいきましょう。
コマンドパネルから[縫い合わせ]を選択し、繋ぎたい辺の上にマウスポインタを置きます。すると対応する辺が表示されますので、クリックします。
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縫い合わせが出来ました。同様に、他の辺も縫い合わせておきましょう。
ここで、もう一度全体を確認しましょう。目や口、耳、あごの辺りは辺が絡まりあったような状態になっていることが解ります。これを修正していきましょう。
コマンドパネルから[リラックス]を選択し、修正したい部分をドラッグします。
ある程度、絡まっている部分が整理されたら、後は[移動]で頂点を移動させて調整します。この時、UVの向かって右側だけを調整します。
右半分を調整し終わったら、左半分にも調整を反映させます。
メニューの[UV操作]から[鏡面複製]を選択します。
[UV鏡面複製]パネルが開きますので設定します。
今回はUVの向かって右側、オブジェクトとしては左側を反対側に反映させたいので、[左から右][U方向]にチェックを入れて[OK]をクリックします。
反対側に反映され、左右対称の状態になりました。
UVに歪みがあると、テクスチャを制作しても歪んでしまう原因になります。歪みを確認しておきましょう。
表示の[オブジェクト][歪み]をオンにして確認します。
暖色は歪みの強い部分、寒色が歪みの少ない部分です。全体的に寒色で色がほぼ一定になっているのが理想です。
これで、顔のUV展開は終了です。
展開したUVの画像を書き出しましょう。
メニューの[UV操作]から[ファイル出力]を選びます。出力用のパネルが開きますので、画像の大きさ、ファイルの保存場所、ファイル名を指定します。
書き出した画像を元に、テクスチャを制作しましょう。テクスチャ制作にはPhotoshopやGIMPなど、お手持ちの画像編集ソフトを利用してください。
材質パネルから材質「face」の[設定]を開きます。制作したテクスチャを[模様]に読み込みます。
テクスチャが読み込まれました。
※頂点スライドでのオブジェクト編集について
テクスチャを貼った後、オブジェクトを編集したくなる場合もあると思います。[頂点スライド]を用いれば、テクスチャの見た目の状態を変えること無くオブジェクトの編集が可能です。
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[頂点スライド]を使って、頬の頂点の位置を移動させました。UVもリアルタイムに編集され、涙模様の見た目の位置は変化していません。
次は、顔以外のUVを一枚のテクスチャに収まるようにしていきます。
まずは手のUVを展開します。
オブジェクトパネルで「hand」を、材質パネルでは「hand」に割り当てられた材質の「body」を選択して作業します。
まず、切れ目となる辺を選択します。コマンド[編集]の[選択]で、手のひらと手の甲の境界となる辺を下図のように選択しておきましょう。この時、親指から手首にかけての辺は選択しないでおきます。
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コマンドの[自動展開]を選択し、[有機体向け]で展開します。
なかなか良好な結果になりました。
しかし、手のひら側のUVは絡まったような状態になっていますし、全体にもう少し整理しておく必要があります。
コマンドから[マグネット]を選択し、動かしたい頂点をドラッグします。[マグネット]を使うと、選択した頂点だけでなく周りの頂点も追従して動くので効率的です。
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[移動]で微調整します。これで手のUV展開は完了です。
次は服(cloth)のUVを展開します。
服本体と襟の部分は繋がっていませんが、1つのオブジェクトで作成しています。服本体のUVの切れ目を選択しやすいように、一時的に襟だけ見えなくしておきましょう。
では、改めて服本体のUVの切れ目を設定していきます。
[選択]で切れ目を選択します。服の場合は、実際の服の縫い目を参考にすると良いでしょう。ここでは、肩、脇、袖の縫い目となる部分を選択しました。脇や袖の部分はサブパネルから[連続辺]を選んで選択すると効率的です。
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これを[自動展開]します。
作業が終わったら、一時的に見えなくしていた襟の部分を表示するようにしておきましょう。[編集]の[隠面表示]をクリックすることで、隠していた面が見えるようになります。
続いて、靴(shoes)のUVを展開します。比較的目立たない足の内側の辺と、靴底との境界の辺を選択し、[自動展開]を行います。
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帽子(cap)も図のように辺を選択して切れ目を設定し、[自動展開]します。
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これで、一通りUVの展開は完了しました。
展開したUVを一枚のテクスチャに収まるように配置していきます。
今回用意したのは次のようなテクスチャです。
これを、体の材質(body)に設定します。
[材質設定]を開いて「body」を選択し、[マッピング]の[模様]欄横にある[参照]ボタンを右クリックします。[編集中のオブジェクトのフォルダ]を選択してサンプルモデルのフォルダを開き、clown_body.jpgを選んでテクスチャに指定します。
オブジェクトパネルから材質「body」を割り当てているオブジェクトをすべて表示し、[現物]をオフにしてUVを確認しましょう。まだ展開しただけなので、いろいろなパーツが重なった状態で配置されています。
それぞれのUVをテクスチャ上に配置しなおしましょう。
ShiftキーとCtrlキーを同時に押しながらUV上の頂点をクリックすると、UVの繋がった部分が一括選択されます。[移動][回転][拡大]を使って、UVの位置を調整、下図のように配置します。
ピエロの服は、モデルの形状としては左右対称ですが、模様は左右対称ではないので、ここから加工していきます。
服のオブジェクトのミラーをフリーズします。
オブジェクトパネルの「cloth」を選択し、メニューの[オブジェクト]から[曲面・ミラーのフリーズ]を実行し、[ミラーのフリーズ]にチェックを入れて[OK]を押します。
オブジェクトのミラーをフリーズしたら、今度はUVを複製します。服のオブジェクトのうち、左右非対称にしたい部分のUVを選択します。ここでは、服の前身頃・後ろ身頃と袖の部分を選択します。襟は左右対称のままでよいので、選択しません。
メニューの[UV操作]から[鏡面複製]を選択します。
UV鏡面複製パネルが開きますので、設定していきましょう。オブジェクトの左側から右側へ鏡面複製したいので、[左から右]にチェックを入れます。また、[選択された面のみ]にチェックを入れ、部分的に鏡面複製します。
対称の中心位置は、画像の中心位置と多少ずれていますので、反転の中心を「0.40」に調整して[OK]を押します。
UVが鏡面複製されました。
鏡面複製を行っただけでは、一部模様が歪んでいたりテクスチャに収まりきっていなかったりしますので、修正していきます。
UV編集の対称軸を設定します。
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これで、対称軸が移動します。片側半分を編集すると、反対側にも変更が反映されます。
衣装のUVがテクスチャ内に収まるように、[拡大][移動]などを使って調整してください。
すべてのオブジェクトを表示状態にして確認しましょう。これで完成です。